心の「思い込み」を理解して、もっと楽に生きる方法

前回お話しした「自動思考」の背景にある「スキーマ」について、今回はもう少し掘り下げてみたいと思います。

・頭部の中にふわふわとした言葉=「思い込み」や「信念」

・背景はカフェや職場などでの会話シーンがぼんやり見えている

・光や色は柔らかく、内面を静かに見つめる雰囲気で

・全体に「現実」と「心の内側」の対比が出るとベスト

私たちの思い込みや信念がどのように形成され、日常生活にどんな影響を与えているのか、一緒に探っていきましょう。スキーマって、実は無理に変える必要はないんです。

例えば「なんでも一生懸命やらないといけない」という考え方を、少しだけ「仕事にはいろいろある。真面目に取り組むべきこともたくさんあるけれど、時には『ここはちょっと力を抜いても大丈夫かも』と思える場面もあるよね」という風に変えてみる。

たったこれだけで、仕事がずいぶん楽になって、能率も上がってくるものです。気持ちが楽になるし、ストレスへの抵抗力も高まってきます。

考え方を少し変えて、問題を解決し、人間関係を改善していく。そうすれば、きっと今より少し楽に生きていけるのではないでしょうか。

そのために、いつも次の4つのポイントを心に留めておいてください:

① 自由な視点をもつ

② 現実に焦点を当てる

③問題解決を目的とする

④ 対人関係能力を向上させる

具体的には、こんなことを心がけてみてください:

① 役に立った対処法をメモしておいて、必要な時に見返す

② 困った時には「落ち着こう」と自分に声をかけて、一息ついてからもう一度問題に取り組む

③ 機会があるごとに自動思考に目を向けて、柔軟な考え方を意識する

④ 単なる気分の波と、本当の落ち込みを区別する

「Takuyaらしくない」って思う方もいるかもしれませんね。でも、こういうことを大事にしているのも、やっぱりTakuyaなんじゃないかなぁ…?

どうでしょう、この文章が固く感じるかどうかは、皆さんの自動思考におまかせします😉

目次

なぜあの人とは話が通じないの?自分はなんでいつも同じパターンで悩むの?

「また同じことで悩んでる…」「なんであの人とは話が噛み合わないんだろう」そんな経験、ありませんか?

実は、これらの悩みの根っこには、私たちの心の中にある「思い込み」が深く関わっています。心理学では、この思い込みを「スキーマ」と呼んでいます。

スキーマって何?簡単に言うと「心のクセ」のこと

脳の中に迷路のような道が描かれている図

各道に「〇〇すべき」「いつも△△になる」「人は✕✕だ」といった小さな標識が立っている

スキーマとは、私たちが過去の経験から作り上げた「心の設計図」のようなもの。もっと身近な言葉で言えば、「考え方のクセ」や「思い込み」です。

日常の例で考えてみましょう

「レストランでの一連の流れ」

レストランに入ったとき

  • 入り口で待つ → 席に案内される → メニューを見る → 注文する → 食事 → 会計
  • この一連の流れを、誰も教えてくれなくても自然にできますよね?

これは「レストラン」についてのスキーマ(思い込み)があるからです。

友達のLINEの返事が遅いとき

  • Aさん:「忙しいのかな?」と思う
  • Bさん:「何か悪いことしたかな…」と不安になる
  • Cさん:「また無視された」と感じる

同じ状況なのに、人によって受け取り方が全然違いますよね。これも、それぞれが持っている「人間関係」についてのスキーマ(思い込み)が違うからなんです。

スキーマがあるおかげで、私たちは楽に生きられる

想像してみてください。もしスキーマがなかったら…

  • コンビニに入るたびに「ここはどういう場所?何をすればいいの?」と迷う
  • 友達と話すたびに「この人はどんな人?信頼できる?」と一から判断する
  • 毎朝「今日は何を着よう」と1時間悩む

疲れますよね?

スキーマがあるおかげで、私たちは:

  • 素早く状況を理解できる
  • エネルギーを節約できる
  • 新しいことも既存の知識と結びつけて覚えやすい

でも、スキーマには「困った一面」もある

メガネのレンズに「思い込み」と書かれていて景色が歪んで見えている、

「決めつけ」や「偏見」の原因になることも

  • 「男性は論理的、女性は感情的」→性別による決めつけ
  • 「あの学校の人はプライドが高い」→出身校による偏見
  • 「年上の人は保守的」→年齢による思い込み

コミュニケーションがうまくいかない原因にも

例:「ちょっと手伝って」という言葉

  • Aさんのスキーマ:「5分程度の簡単な作業」
  • Bさんのスキーマ:「本格的にサポートしてほしい」

→ 結果:お互い「話が通じない」と感じる

自分を苦しめる「思い込み」も

  • 「私はダメな人間だ」
  • 「人は信用できない」
  • 「完璧でないと愛されない」

こんな思い込みがあると、日々の生活がとても辛くなってしまいます。

スキーマはどこから来るの?特に子どもの頃の経験が大きい

私たちのスキーマの多くは、子どもの頃の経験から作られます。

私たちのスキーマの多くは、子どもの頃の経験から作られます。

子どもの頃に必要だった5つのこと

  1. 愛されること、守られること
  2. 「自分はできる」という自信
  3. 自分の気持ちを表現できること
  4. 自由に遊び、楽しめること
  5. 適度なルールや限界があること

これらが満たされると、健康的なスキーマが育ちます。

でも、満たされないと…

例えば:

  • いつも怒られてばかりいた子 → 「自分はダメな人間」
  • 親が忙しくて構ってもらえなかった子 → 「人は自分を見捨てる」
  • 完璧を求められ続けた子 → 「ミスは絶対に許されない」

当時は自分を守るために必要だったこれらの思い込みが、大人になっても続いて、生きづらさの原因になることがあります。

スキーマの4つのタイプを知ろう

1. 人についてのスキーマ

「あの人はこういう人」という個人への思い込み

  • 「田中さんは優しい人」
  • 「山田さんは厳しい人」

2. グループについてのスキーマ

職業や性別、年齢などによる思い込み

  • 「看護師さんは優しい」
  • 「営業の人は社交的」

3. 行動パターンのスキーマ

「こういう時はこうする」という行動の台本

  • 電車に乗る手順
  • 面接での振る舞い方
  • 結婚式でのマナー

4. 自分についてのスキーマ

自分への思い込み

  • 「私は人見知り」
  • 「私は責任感が強い」
  • 「私は運動が苦手」

スキーマとうまく付き合う方法

まずは「気づく」ことから

  • 「あ、今自分はこう思い込んでるな」
  • 「この考え方、いつものパターンだな」

気づくだけでも、思い込みに振り回される度合いが減ります。

「本当にそうかな?」と疑ってみる

  • 「男性はみんな論理的」→ 本当にみんなそうかな?
  • 「私はダメな人間」→ 本当に全部ダメなのかな?
  • 「あの人は冷たい人」→ もしかして理由があるのかな?

小さな「新しい経験」を積み重ねる

思い込みと違う経験をしてみることで、スキーマは少しずつ変わっていきます。

  • 「人は信用できない」→ 信頼できそうな人に小さなことから頼んでみる
  • 「私は人見知り」→ まずは店員さんに「ありがとう」と言ってみる

一人で難しい時は、専門家の力を借りることも

スキーマ療法という専門的な治療法もあります。特に、子どもの頃の辛い経験から生まれた深い思い込みは、カウンセラーと一緒に取り組むことで、より安全に変化させることができます。

まとめ:スキーマを味方にして、もっと楽に生きよう

「スキーマを味方にして、もっと楽に生きよう

スキーマ(思い込み)は:

  • 私たちの生活を楽にしてくれる便利なツール
  • でも時には足かせにもなる
  • 変えることができるもの

大切なのは:

  1. 自分の思い込みに気づくこと
  2. それが今の自分に役立っているかを考えること
  3. 必要なら少しずつ変えていくこと

完璧である必要はありません。少しずつ、自分のペースで。あなたの心の「思い込み」と上手に付き合えるようになることで、人間関係がスムーズになったり、自分を責めることが減ったり、新しいことにもチャレンジしやすくなるかもしれません。

今日から、まずは自分の「思い込み」に気づくことから始めてみませんか?

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